舟橋純の控え帖

まずノートだ、そこに見たもの、思ったことのすべてを書き入れる。そののちに分類して秩序づけ書き写せばいい。思考の簿記であって、そうすれば物事の関連性と、そこから生じる解明とが、きちんとした表現を見るだろう。(『リヒテンベルク先生の控え帖』より)。そういうブログです。

2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

人間的意味、続く世代、ある男 ――『プレヴェール詩集』(岩波文庫)読書録

あまりむずかしい主義主張をふまえた上で書いている詩人の詩は、読んでいても、わたしには、いまいちピンとこない。もちろん詩は、なんらかの意味の伝達が目的ではないにしろ、本当に混乱しているとしか感じられないような詩は、たいていの場合、読まれなく…

光を与える ――『新川和江詩集』(ハルキ文庫)読書録

他人の気持ちを考えて行動しなさい、とはよくよく言われることではあるものの、他人の気持ちなど、そう簡単にわかるものではない。だからこそ言葉によるコミュニケーションが大事、などというと、実にありきたりな話になってしまう。 けれどもこれが、雪の気…

寝ながら考える辺境人の文化 ――『日本辺境論』(内田樹)読書録

加藤周一によれば、 日本人とは、日本人とは何かという問を、頻りに発して倦むことのない国民である。 『日本人とは何か』(加藤周一、講談社学術文庫、p.8) 内田樹も同じ路線で話をすすめる。彼によれば、私たち日本人が、日本論や日本文化論を繰り返すの…

noteから引っ越してきました。

こんにちは。赤木と申します。ふだんは教習所で指導員として働いています。 趣味は読書で、感想などを他の方と共有できればと思い、noteでブログを書いていたのですが、はてなの方が交流しやすいかなと思い、引っ越してきた次第です。 どうぞよろしくお願い…

ものから照らされた自分 ――『屋上への誘惑』(小池昌代)読書録

小池昌代の『屋上への誘惑』を読んでいて、以下のような一節に出会った。 ことばの発生。――わたしは、なぜかうやうやしい気持ちになって、「ただいま」の出てきたあたりに眼をこらす。内圧がかけられて、止むにやまれず出てきたことば。一瞬の光をあびて、こ…

いったんの答え ――『日本人とは何か』(加藤周一)読書録

西洋人の書いた思想書なり哲学書なりを読むたびに、かすかではすまない違和感を抱いてきた。特にイギリス、フランス、ドイツの人々の書いたものは、あきらかに想定読者として日本人を考えていないものだ。それを自分が読むというのはどういうことか、疑問に…

失われた狭さを求めて ――『アメリカ紀行』(千葉雅也)読書録

大学生のときから、千葉雅也の本は読んでいて卒論の参考にもしたくらいだけれど、働きだしてからはあまりハードな哲学方面の彼の仕事よりも、日々更新されるTwitterの文章を楽しんでいた。 ひさしぶりにTwitter以外の彼の文章を読んだ。『アメリカ紀行』(千…

詩の楽しさがジャジャンカ ワイワイ ――『放課後によむ詩集』(小池昌代)紹介

こちらも、わたしが以前、amazonに書いたレビュー記事です。自分の備忘録もかねて、一応こちらにも転載しておきます。―――――――――――――――――――――――――――――――― 小池昌代さんの詩のアンソロジーを毎回たのしみにしている者です。 ご本人の詩集も、もちろん読んでい…

令和の枕草子 ――『あのころなにしてた?』(綿矢りさ)紹介

以前amazonのレビューで書いた文章を転載しておきます。けっこう力を入れて書いたものです。―――――――――――――――――――――――――――――――― この本は、後々必ず参照されることになるであろう、日本の日記文学の新しい金字塔です。いきなり褒めすぎだとお思いでしょうが、…

記念碑:5c人間対戦記録

対戦記録の記念碑として。 7/22 アジアモダントライアル カウンターカンパニー ○○ 白黒エルタク ○×○ マルパイ ×× バーン ×○× 7/22 日曜モダン エターナルブルー ○○ 青白リビエン ○×× ミラー ×× 7/29 あずま屋シングル争奪戦 Skred ×○○ BG感染 ×○× アブザント…

リヒテンベルクの読書論 ――『リヒテンベルク先生の控え帖』読書録

ニーチェの紹介がなければ、まずまちがいなく出会うことはなかっただろう本を読んだ。『リヒテンベルク先生の控え帖』(平凡社ライブラリー、池内紀編訳)だ。 ニーチェは以下のように言っている。 109 ドイツ散文の宝 ――ゲーテの諸著、とくにおよそ存在する…